殺人志願



殺人志願

 きゃはははは きゃは きゃはははは

 おかしいおかしいおかしいおかしい
 なんで世界はこんなにも美しいのかしら!

 きゃは、きゃはは

 他の人達は私のことを奇人変人というけれど、私にしてみれば貴方達のほうがおかしいわ。
 何で、何でこんなにも美しい世界で生きていられるの?

 なんで、愛しいと思うものを手に入れようとしないの?

 私は貴方達のこと、好きよ。
 だって貴方達ってとってもおかしいんだもの!


 例えば貴方達は、紅く輝く血を見て悲鳴を上げる。
 例えば貴方達は、美しい腕の切断面を見て嗚咽を漏らす。
 例えば貴方達は、きらりと光るナイフを見ては恐怖に慄く。


 ああ、愛すべき貴方達。
 私はこんなにも貴方達を愛しているのに、貴方達は私を見るといつも逃げ去ってしまう。
 そんなに私が怖いのかしら? 恐いのかしら? こわいのかしら? コワイノカシラ?

 私は大好きなものを私だけのものにするのが好きなの。
 愛しいものを、まるで人形のようにするのが好きなの。


 だ か ら ね 、


 貴方達を見るといつもその腕とか・足とか・首とかをね、その綺麗な身体から千切りたくて千切りたくて千切りたくて……
 だってしょうがないでしょう?
 私は貴方達が大好きなの。愛しくて愛しくて仕方がないの。

 愛したものはだって、手に入れたいでしょう?

 それなのに貴方達は逃げるのよ、私から。
 貴方達は自分の好きな玩具や本を好きなようにするというのに、私が同じ事をすると逃げるのよ。私から。


 正 確 に は 、 私 が 手 に し た 包 丁 に 、 か し ら 。


 ねぇ、なぜかしら?
 私はこんなにも沢山の愛を持っているのよ、それなのに!!
 貴方達は私の気持ちを理解しようとしてないの。
 世界が美しいことに気がついていないのよ!!



 ねえ、お願い。その身体を 心を 言葉を 私に頂戴?











 まるで夢を見る人形のように 私が可愛く可愛くしてあげる。
 それはきっと、
 それはきっと、とてもとても快感だから。

 きゃは、きゃは、きゃはははははは…………

- end -

2006/09/26

「自殺志願」と対極にある小説です。
なんと言うか、無性に狂った女の人を書きたかったんです。
オフで「歪みの国のアリス」(携帯アプリ・ホラーテキストゲーム)が流行っていたのも原因やも。
夜中にモバイルにノリノリで打ち込んでいた自分がいました…;
危ない危ない苦笑

自殺志願」もあわせてご覧下さい。

Harasu Uun