昼下がりの午後、彩奈はいつものようにカフェでバイトをしていた。
オープンテラスのあるちょっとオシャレな流行のカフェ。
大きな通りに面しているから、平日の昼間でも見せは大忙し。
それでも夕方になればだんだんと人が減り、街はイルミネーションで輝く。
彩奈がバイトを上がったのは夜の7時。
冬の夜空に一番星を見つけ、外の通りを歩いていたら、道路の方からクラクションを鳴らされた。
ウィンドウが下りて、そこから顔を覗かせたのは彩奈の彼氏の優一だった。
「今帰りなの?」
優一はかけていたグラサンをはずした。
「そうよ。優一はこんなところで何してんの?」
彩奈は歩道の柵越しに話していた。
「俺は仕事帰り。乗るか?」
親指をクイッとして、彩奈に合図した。
「あたしが車嫌いなの知ってるでしょ?」
彩奈は少しおびえたように車の方に目をやった。
「あぁ、そうだったな。お前はそうかも知れないけど、俺は違うさ。」
自慢の青い車をまるで恋人のように思っている優一が、彩奈には理解できないでいた。
彩奈は小学生の時に事故に遭って以来、車に乗るのを怖がるようになっていた。
それが例え彼氏が運転していようとも。
「まぁ・・・今日ぐらい乗ってもいいわ」
「いや、無理にとは言わねー・・・」
優一が心配そうに声をかけたが、彩奈は慣れない手つきで助手席に乗り込んだ。
何せ、彩奈が優一の車に乗るなんて何ヶ月振りなのだ。
酔ったときか、風邪で倒れた日ぐらいなものだから。
「ホントに大丈夫なのか?」
「うん。今日は気分いいから。」
彩奈は内心ちょっと怖かったが、せっかく久し振りに会えた優一との時間を楽しみたかった。
彩奈の言葉に少し安心した優一がゆっくり車を出した。
彩奈の好きなB'zの曲をかけ、キラキラした街並を横目に車は走る。
「なぁ、彩奈」
「ん?」
「このままどこか夜景でも見に行かねぇ?」
「そうねー・・・たまにはいいかな」
「じゃぁ決まりだな」
優一はその言葉に嬉しそうにしていた。
その横顔を彩奈も幸せそうに見つめていた。
しばらく車を走らせ、優一はあるビルの駐車場に停めた。
結構高さのあるビルで、だけど優一はなぜか屋上ではなく、最上階のレストランへと向かっていた。
「優一・・・?」
「ん?あぁ、ここね、おいしいって評判なんだぜ」
自慢げに笑う優一を見て、彩奈はわけがわからないといった顔をしていた。
「予約してた笹野ですけど・・・」
優一は入り口に立っていたウェイターに話をしていた。
そして案内された席は窓際で、今まで走ってきた街が全部見渡せるほど、
一番いい席だった。
彩奈はそんな夜景に言葉を失っていた。
「キレイだろ?」
「うん・・・!でも何で今日なの?」
「いや・・・クリスマスに仕事入ってさ。その埋め合わせだ」
「クリスマス・・・仕事なんだ・・・」
「悪いな・・・。あ、それでこれ、はい」
優一は着ていたコートの内ポケットから長細い箱を彩奈に手渡した。
「これ何?」
「まぁ開けてみろて♪」
そう言われて、彩奈はおもむろに包装紙を取り、箱を開けた。
そこには金色に光る、プレート付きのブレスレットが入っていた。
プレートには何か文字が彫ってある。
「え?I'll・・・love you・・・always・・・」
「そう。意味は・・・分かンだろ?(照)」
「どーゆー意味なの?(笑)」
彩奈は分かっていながらワザと聞いた。
「お前を・・・永遠に愛するって意味だよ」
優一は照れて顔が真っ赤だった。
「ねぇ優一・・・あたし車が大嫌いだし、車を大事に思う優一が分かんない。でも・・・大好きよ。あなたが思ってる以上に・・・」
彩奈は少し恥ずかしそうに笑った。
その笑顔に優一もつられていた。
ウェイターが持ってきた白ワインのグラスを傾け、一足早いクリスマスを二人でむかえた。
「「Merry Xmas」」
- end -
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頂きました〜v
何を隠そう、りんごさんが雨雲のために書いてくださった誕生日小説なのでありますよ!
ぐはぁっ!あ、甘ーい!(笑
甘いの大歓迎!雨雲は甘党でありますよ?(何その口調
しかもきちんとリクエストした台詞まで入れてもらえて…感謝。
難しくしちゃってごめんなさい、りんごさん…!
りんごさんのバースデイには雨雲から何か差し上げますね〜。
…昨年は差し上げられなかったので(汗汗
追記:こちらの都合上背景画像、文字サイズなど変更しております。ご了承ください。
Harasu Uun